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第45話 東国光也という男(2)

Author: 酔夫人
last update publish date: 2026-05-31 16:19:53

ほどなくして店員が新しいカップを運んできた。

「ブレンドです」

湯気の立つコーヒーが父親の前に置かれた。

深く焙煎された香りがふわりと広がったが、父親はまだ険しい表情を崩していない。

実花はそんな父親の様子を気にしてしまい、横目でちらちらと視線を送ってしまった。

しかし、光也はまるで気にした様子がない。

無言でテーブル中央のシュガーポットを実篤のほうに押し、その自然すぎる動作に実篤がぴくりと眉を動かした。

「……するべき気遣いが違うのではないか?」

その低い声にはもっと他に説明や謝罪があるだろう、という意味が滲んでいるように実花には感じた。

しかし光也は意に介した様子もない。

「コーヒーには砂糖を入れていたと記憶していますが?」

そうなのかと実花が驚いて父親を見ると、父親は眉間にしわを寄せて光也を見ていた。

「なぜ知っている?」

(“知っている”ということは事実なのだわ)

「一度見たものは記憶してしまう性質たちで」

「なるほど。それでは先ほど来たパトカーのナンバーは?」

「三九二三」

あっさりとそれを答えた光也に感心した。

「私はそんなもの覚えてはいない。合っているかと問われて
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